アルバム「YELOW DANCER」

桜ソングっぽくない不思議な桜ソング・星野源「桜の森」

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2014年6月11日に発売された星野源さん7枚目のシングル「Crazy Crazy/桜の森」に収録されている「桜の森」についての考察、解釈をまとめます。

この曲は2015年12月2日に発売された4枚目のアルバム「YELLOW DANCER」にも収録されています。

この曲はタイトルに「桜」というワードが入っているにも関わらず、あまり桜ソングっぽくないんです。
とても不思議な曲です。

うねるような謎の一体感

この曲はとても不思議です。

その不思議さを一番よく表しているのがサウンド、アレンジです。

よくわからない森のような場所にうっかり迷い込んで出られない

というよりは

私の感覚としては、森の印象の方がとても強いです。

全体的に音がしっかりとまとまっていて、こもっています。

もこもこしています。

この曲、

CD版にはギターが入っていない

んです。

2013年10月2日に発売された星野源さん6枚目のシングル「地獄でなぜ悪い」まではギターが入っていたんですが、「Crazy Crazy / 桜の森」以降はギターの入らない曲が散見されます。

その先駆けがこの「桜の森」と言って良いかと思います。

ギターが入っていないため、謎の一体感が生まれていると私は考察しています。

ギターがないことにより、フェンダーローズ(エレクトリックピアノの一種)とストリングス(弦楽器)がイントロから強烈なインパクトを与えてくれます。

私は楽器に詳しくないので、きっとこれがフェンダーローズだろうという体で書き進めていきます。

このフェンダーローズの籠った音が、どこぞの謎の森感を醸し出しています。
もこもこしていてとても良いですよね。

大好きです。

そして、ストリングス。

うねるうねる、とにかくよくうねる

ぐるぐると、謎の一体感を生み出しています。

この謎の一体感の理由のひとつが「ばらばら」という言葉にあると思います。

「ばらばら」から「肌」そして「コウノドリ」へ星野源さんの初期の代表曲に「ばらばら」という曲があります。 かなりドロドロした感情を抱えていた時に起こった恋愛に関する問題。 そりゃ...

別々の人間が、ひとつの楽曲に対して、ばらばらの気持ちを持ちながら弾いているからこそ味わえる極上の一体感

とくに中間の怒涛のストリングスの三連符。

四分音符ひとつに対して音がみっつ。

タタタ / タタタ / タタタ / タタタ /

一小節を簡単に表すとこういう感じです。

三連符って、規則的ではあるけれど、四分音符ひとつをみっつに分けているこの微妙な割り切れない感じもあるんですよね。

なので、こういう感想になるのです。

星野源さんの曲は、不思議なリズムや拍子を取っていることが多く、「桜の森」もまたそのうちの一曲ですが、いずれも自然に耳に馴染みます。

よくわからない森のような場所にうっかり迷い込んで出られない

前述の通り、こんな感覚に襲われます。

とはいえ、とても心地よいです。

また、この曲は2018年3月31日までに発表されている曲の中で3曲だけ存在する演奏時間5分以上の曲の中の一曲です。

その他は「レコードノイズ」と「Family Song」です。

「レコードノイズ」と自然とライブ(星野源「Stranger」収録)2013年5月1日に発売された星野源さん3枚目のアルバム「Stranger」の10曲目に収録されているのが「レコードノイズ」です。 ...

桜っぽさがない歌詞

一般的にタイトルに「桜」という単語が入っている場合、歌詞にも桜という単語が入っていますし、

全体的に桜が咲き誇っているというような歌詞になっています。

しかし、「桜の森」には「桜」という単語が歌詞に入っていません。

坂口安吾氏の「桜の森の満開の下」という短編小説作品を知っている方であれば、「森の満開の下」という歌詞を見て、桜、と思い浮かべるかもしれません。

でも私のように文学? うーん? みたいな人にはさっぱりわかりません。

曲だけ提示されて聴いて、出てくる花を「桜かもしれない」と察することはなんとなくできても「桜」とは断言することができません。

この曲の歌詞は、もこもこしながら、春にあらゆる生き物達が活動し始めるさまが描かれています。

森、花、虫、君、貴方、僕、鬼達。

植物、昆虫、人間、ええとなんだ、人じゃない人みたいなもの。

そんなもの達がマイペースに活動開始です。

あれ、「桜の森」も「君」と「貴方」が混在している。

「Week End」が確立したイエローミュージック2015年12月2日に発売された星野源さん4枚目のアルバム「YELLOW MAGAZINE」に収録されている 「Week End」...

一度星野源さんには、「君」と「貴方」が混在している歌詞についてたずねてみたいです。

この曲の歌詞に「ラジオ」というワードが出てきますが、J-WAVEの春のキャンペーンソングでした。

ラジオ関係に疎いので、このタイアップがどういうものなのかわからないのですが、事前にラジオに使われると知っていたら、それを意図してラジオという言葉を入れた可能性が考えられます。

また、規約上このブログにはぼやかさないと書けませんが、色っぽい意味も含まれているとのこと。

でも、一見わからないんですよね。

深読みしないとわからない。

その慎ましさが、星野源さんが目指しているジャパニーズ、日本的情緒です。

想像力も掻き立てられますしね。

さて、「桜」という歌詞は「桜の森」にはでてきませんが、2012年11月28日に発売された星野源さん4枚目のシングル「知らない」に収録されている「ダンサー」という曲に「桜」が登場します。

この曲は休養前に発表された曲ですが、休養後に発表された「踊る」という要素が強く歌詞に現れています。

踊る=生きる

とすると、この曲も確かに力強く生きてるんですよね。

「桜」という言葉の他に「秋刀魚」という言葉も登場します。

一年を通して生きていくさまが描かれている素晴らしい曲です。



「桜の森」は複数のバージョンが存在する

通常版

CDに収録されているものを便宜上通常版とします。

これに関しては前述の通り、もこもことうねる謎の一体感があるアレンジになっています。

ライブバージョン

「桜の森」は様々なライブやフェスで披露されています。

ライブバージョン最大の特徴は、ギターが入っていることです。

以前は必ずギターを抱えて弾きながら歌っていた星野さんですが、休養明けからはハンドマイクで歌うことも増えました。

この曲は休養明けの曲ですし、CD版にはギターが入っていません。

でも、ライブでは必ずギターを弾いています。

星野さんと長岡亮介さん(亮ちゃん)のツインギターが、これでもかと言わんばかりに掻き鳴らされています。

アレンジによっては桜吹雪どころか「桜猛吹雪」状態です。

演奏後には全部散ってるのではないかというレベルでギターが絡み合っています。

星野さんと長岡さんのギターの違いは

一音一音くっきりしているのが星野さん

テロテロテロロンとしているのが長岡さん

だと思っておけば大体判別できます。

使用しているギターによっては判別しづらい時もあるには、ありますが。

「Live Tour 2017 Continues」では、星野さんが水色と白のギターを持って登場。

長岡さんとイントロを組み立てながら「桜猛吹雪」を見せてくれました。

この時の星野さんのギターは使用感がありますが、このライブのために買ったそうです。

前に所有していた方がたくさん使っていたんだと思われます。

ライブバージョン・長岡さんと弾き語り版

このバージョンは2014年12月16日に横浜アリーナで開催された「ツービート・弾き語りDAY」で披露されました。

長岡さんと一緒にアコースティックギター2本で披露されました。

後にも先にもこの時だけなのでは、と思っています。

アコギ2本なので「桜吹雪」です。

星野源さんひとりで演奏版

このバージョンは、2015年8月12日、13日に日本武道館で開催された「星野源のひとりエッジ in 武道館」で披露されました。

星野さんがドラムを叩き、そのドラムを繰り返し流しながらそれに合わせて星野さんがフルアコと呼ばれるギターを弾きながら、更にそこにストリングス音源を乗せて歌うというものでした。

ドラムを叩いてから歌う、これがとても大変だったそうです。

星野さんが叩いたドラムのテンポに合わせて音響スタッフがストリングスのテンポを調節して流さなければなりません。

とんでもないことをしやがります。

あ、褒めてます。

このバージョンも「桜吹雪」という感じです。

「ひとりエッジ」は4枚目のアルバム「YELLOW DANCER」の初回限定版に付属していましたが、残念ながら現在は入手困難です。

でもやっぱり春っぽさがあまり感じられず

ここまでどうにか「桜」「春」要素を探してまとめてみましたが、やはり個人的には「春だぜ!」という印象があまりありません。

だからこそ「桜の森」は

どんな季節だろうがどんな天気だろうが関係なく一年中聴くことのできる桜ソング

だと私は思っています。

そんな訳で、今日も私は「桜の森」を楽しみます。

今、桜の季節だったわ。

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ABOUT ME
紺色
ただの星野源さんのファン。 2016年5~6月頃から。 一方通行に感想、情報、お役立ち等を発信中。 それ以上でも、それ以下でもありません。 くせはすごめ。